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ベクトルとバランス
こんばんは、羽田野いろはです。
「もう見たくもない」と思い、自分の楽器を売り払ってから、早くも10年が経ちました。
YouTubeで楽器の動画や音楽の動画を聞くことがずっと怖かったのですが、最近ようやく観たり聞いたりすることができるようになりました。
夢の中では未だに、良い音が出せないことに焦りを感じている今日この頃...(笑)
そんな私の楽器生活で印象深かった出来事を一つ聞いてください。
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ある時、私の学校の卒業生で現役音大生のお姉さんがレッスンをしに来てくださりました。以下、先生と呼ぶとします。
その時期はソロコンテストの時期でしたので、先生はソロコンの曲について見てくださることに。
私が練習していた曲はマルティーニの「愛の喜びは」でした。
先生の前でとりあえず最後まで吹き、聞いていただきました。
皆さまご存知かと思いますが、部活動で楽器をやるとかなりボロカスに叩かれることがあります。
先生から、曲の解釈についてどう言われるか?表現についてどうボロカスに言われるか?と覚悟して、先生の言葉を待ちました。
先「とても丁寧に吹いていて良いですね。音も良いのですが、少し吹きづらそうです。リードを見ても良いですか?」
リードの話なんて初歩中の初歩の話なので、ドキリとしました。
リードとは、マウスピースに付ける木のヤツと言ったら分かりますかね?あれです。
・リードには厚さがあり、だいたい楽器屋で売られているのは2半〜4半。
・数字が小さければ薄めに作られていて、そこから1/2刻みで厚くなっていきます。
・薄いと音は鳴りやすいですが、音色を作るのに難儀します。
・これも大体ですが、初心者は3のリードから始まり、慣れてから3半で落ち着くことが多いです。
で、当時の私は色んな厚さのリードを試していて、先生のレッスン時には4のリードを使っていました。
先「え、4使ってるんですか!厚いなあ...。あの、良かったらコレ使ってみます?」
そう言って先生は、ご自身が使っているリードを渡してくれました。
先生のリードは、3でした。
続きます
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